Skip to Main Content

触れてみよう!漢方医学と漢方薬: はじめに

名前くらいは聞いたことがある「漢方」、一体ナニモノでしょう。 実は僕たちの日常をよりよくするポテンシャルを秘める「漢方」について、その背景も踏まえてご紹介いたします!

「漢方」って?

 

「漢方薬」 と聞いて、みなさんはどのようなイメージを抱くでしょうか

 

   

 

 

「苦そう」

「古臭そう」

「体には優しそう」

「草を何種類か配合しただけなのに効き目が出るのが本当謎」

 

これは僕が薬学部に入る前まで抱いていたイメージですが、

似たことを考えている方も、ちらほらいるのではないでしょうか。

 

薬学部では、残念ながら「漢方」に関して教えてもらえる時間は本当にごくわずかでした。

薬学府に進み、薬物動態学にたずさわり初めて分かったのですが、

漢方薬に対する科学的根拠付けはまだまだ及んでおらず、その作用機序や体内動態、

つまり 「何で効くの?」 という点に関しては、不明な点が盛りだくさんでした

 

苦いことは既に知っていたので

結局自分が持っているイメージは、薬学生の今になってもあまり変わっておりません

  

 

まだまだ現役な漢方

 

しかし

漢方薬は、いまも現役でお医者さんから処方されており、

その薬効で数多くの患者さんを救っております。

僕は興味本位で漢方薬の本をいろいろ読んでいますが、

科学的には謎でも、正しく効くための体系は確立されており

同じ病気でも人によって処方される漢方は違ったり、違う病気でも同じ漢方が処方されたりと、

漢方薬には面白い事実もたくさんあります。

 

ここではそんな、漢方薬・漢方医学 の面白さを、

源流にある 「東洋医学」 と併せて、紹介したいと思います。

このガイドを通じて漢方薬が身近になっていただけると幸いです。

 

  

 

Subject Guide

Profile Photo
松原 由造
連絡先:
本ガイドは図書館学習サポーター/図書館TA(Cuter)として勤務した際に作成したものです。

勤務期間 :2016年7月~2020年3月
当時の身分:大学院生(博士課程)
当時の所属:九州⼤学⼤学院薬学府 創薬科学専攻
分野: A11_薬学府

このガイドについて

 

薬学府博士2年の松原と申します。

近年、患者個人個人の体質に応じて薬の投与設計を行う医療(=テーラーメイド医療に注目が集められていますが、実は患者個人に応じた治療/処方は、現代から大きく遡った昔の医療でも実践されていました。

その代表が今回紹介させていただく「東洋医学」、そして「漢方医学」です。

個人的にとても興味のあるこの領域について、皆さんと面白さをシェアできましたら幸いです。

 

注意していただきたいこと

 

※)

ここでは、現代の治療指針の主流である 西洋医学 の概念に対する、東洋医学・中医学等を源流にする治療指針を 「東洋医学」 と呼んでおります。

厳密な区別や定義づけは、ややこしさ回避のために行なっておりません。

大きく分けた東洋/西洋の考えの基準の違いを皮切りに、漢方薬・漢方医学のすごさをお伝えできればと考えておりますので、ご了承ください。

 

※)

同じ東洋医学的治療の考えでも、流派によってその捉え方が異なることもあるため、全ては一概に言えない、ということも併せてご了承ください。