朝のテンションを左右しがちな未病「むくみ」
正体は、細胞内に余計にたまった水分です。
これは、栄養や酸素と共に運ばれる水分が、静脈やリンパ液にうまくリリースされなかったために起こってしまいます。
漢方/西洋それぞれで、どのようなアプローチで改善されるのでしょうか
【例:γトコフェロール】
要は ビタミンE のことです。
女性向けのむくみ改善サプリなどに良く見受けられます。
むくみの原因の一つに、高ナトリウム食(塩分が高い食事)や水分の過剰な摂取が挙げられます。これらが続くと、血液の循環が悪くなり、水分排出の効率も下がり、結果体がむくんでいきます
γトコフェロール を摂取するとナトリウム排泄型の利尿作用が引き起こされます
つまり、体内にたまったナトリウムをおしっこの形で外に出す働きが引き起こされ、この時ついでに尿として、体内の水分も出ていきます
この機序が、むくみの改善につながります
前に述べた通り、漢方医学には「水(すい)」の概念があります
西洋医学と同じく、むくみとはすなわち「水(すい)」の停滞なので
西洋医学と同じく、身体の水分を外に出すように促す漢方薬が選ばれます。
このとき、先ほどの「疲労感」と同様に
「五臓」のどこの調子が悪くなったかでむくみの原因は詳しく分けられます。
脾は、食事中の水分を体内に取り込む働きがあります
この働きが低下することを「水滞」といい、むくみの原因になります。
【健胃顆粒(ケンイカリュウ)】や【五苓散(ゴレイサン)】がこの解消に選択されます
五苓散大活躍です。
肺は水分を体内から膀胱や体表に運び、尿や汗の形で体外に出す手助けをします。
肺の機能低下は運び出す力の低下なので、これも水分の停滞につながりますが
肺が原因ならば、【防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)】などが選ばれます。
これは水太りするタイプの女性にも処方されがちです
腎は過剰な水分は適宜排出し、
水分の不足に対しては「脾」や「肺」に働きかけて口やのどの渇きなどの生理反応を起こします。
この腎の働きが弱まると、尿排泄がうまくいかず、水分がたまりむくみます。
この解消には、腎にエネルギー(=気)を補給する
【牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)】や【八味地黄丸(ハチミジオウガン)】が選択されます
これら二つは特に、下半身のむくみに効果的です