いよいよやってきました、腸内細菌です!!!
ここが微生物学学習の山場ではないかと思います。
できるだけシンプルにまとめてみたいと思います。
◆腸内細菌の定義◆
①通性嫌気性グラム陰性桿菌
②普通寒天培地によく発育
③ブドウ糖を発酵して酸を産生
④硝酸塩を亜硝酸塩に還元(硝酸塩還元テスト陽性)
⑤オキシダーゼ陰性
この特徴は、他のグラム陰性桿菌との鑑別に役立つ特徴です。
さて、どうして腸内細菌の分野が山場になるのかというと、それは、生化学的性状について覚えなければならないことがたくさんあるからです。
このことは、この細菌同士が互いに似通っており、鑑別するのが難しい、ということを示しているのだと思います。
表:主な腸内細菌科の菌属とその生化学的性状
上の表では、菌株によって異なる性質を示す部分はすべて省略しました(それでも例外はあるようです)。
また、細菌の種類も、いくつか省略していますので悪しからず。
まず性状によって大まかにⅠ~Ⅳのグループ分けします。
各テストについて。
緑色で囲んだところはグループ分けを覚えれば頭に入ってくるところです。
KEY WORDS:
Yersinia のVPテストは25-30℃培養で陽性となる
インドールテスト陽性:Esherichia
クエン酸塩利用陽性(クエン酸培地に育つ):Citrobacter, Enterobacter, Serratia
語呂:食えんやつに 支援 せい (食えん:クエン酸利用陽性 支:シトロバクター 援:エンテロバクター せい:セラチア)
リジン脱炭酸陽性:Esherichia, Salmonella
語呂:サルに にんじんの エサをやる (サル:サルモネラ にんじん:リジン脱炭酸陽性 エサ:エシェリキア)
ブドウ糖を分解してガスを発生するもの:Esherichia, Citrobacter, Enterobacter
語呂:エッセーの エンドは ガスによる 死とともに (エッセー:エシェリキア エンド:エンテロバクター ガス:ガス産生 死と:シトロバクター)
尿素利用陽性:Proteus
運動能を持たないもの:Shigella, Klebsiella, Yersinia(30℃以下の培養で運動性)
語呂:Lサイズの クレープ持って 茂みから 動かない (L:エルシニア クレープ:クレブシエラ 茂み:シゲラ 動かない:運動性なし)
赤で示した性質は、問われる頻度が高かったように思います(・・・ずいぶんと昔の記憶ですが)。
Shigella と Yersinia が多くのテストに関してマイナスの結果となることや、特に Shigella においてブドウ糖からのガス産生が陰性であること、Yersinia は温度条件において反応性が異なることは重要です。