上に示したのがグラム染色性による細菌の分類です。
もちろん、全ての細菌の分類ではなく、ポイントである(だろうと私が選んだ)細菌について載せてあります。
どの細菌がどんな形をし(球菌or桿菌)、どんな染色性を示すのか、ある程度は覚える必要があります。
特徴は、
・グラム陰性菌の方が種類が多い
・桿菌の方が種類が多い
・好気性、偏性嫌気性菌の種類は少ない
ことです。
つまり、グラム陽性菌を覚えてしまえば、分類の分からない細菌に出会っても、”グラム陰性通性嫌気性桿菌” である可能性が高いということです。
上の表で、オレンジ色の印を付けている 芽胞 と、水色の印を付けている 莢膜 はとても重要なポイントです。
◆芽胞◆
・特定のグラム陽性桿菌の冬眠型。
・厚い皮膜に包まれた一個の球状体。
・発育に有利な環境になるまで数年〜10数年にわたり,生存可能。
・乾燥,熱,消毒薬に対する抵抗力が非常に強い。
☆芽胞の位置と形は菌種により特有で,菌種の同定に役立ちます。テストにも出るのでしっかり覚えましょう☆
◆莢膜◆
・細胞壁の外側の外界の境界が不明瞭な厚い膜構造,単染色あるいはグラム染色にて菌体表面の透明像として観察。
・莢膜を有する細菌は,宿主の免疫による防御作用に拮抗。
・抗原性を持ち,この特異性によって菌の血清型別が行われる。
細菌の基本的な性状は、同定の際の重要なポイントになります。
特徴的な性質を表に少しずつ書き込むのも良いかもしれませんね☆
細菌の染色法にはたくさんの方法がありますが,その中でも最も基本となるのが,”グラム染色”です。
手順はきちんと覚えておきましょう。
グラム染色〜ハッカーの変法〜
① 塗抹,乾燥,火炎固定
② 前染色:ハッカーのクリスタル紫液で1分染色,軽く水洗
③ 媒染:ルゴール液を標本面にかけて1分媒染,軽く水洗
④ 脱色:標本面に無水エタノールをかけ,約30秒作用させる。軽く水洗。
⑤ 対比染色: サフラニン液で30秒〜1分染色,水洗後乾燥。
どの順序でどの液を使うかを聞かれたりするので,液の名前と順序と色(文字の色と同じ)は必ず覚えましょう。
この方法で染色することにより,グラム陽性菌は青紫色に,グラム陰性菌は赤紫色に染まります。
が・・・!!!
染色の対象となる菌が古くなると,グラム陽性菌でも赤紫色に染まることがあるのでご用心!!!