私は既に研究活動をはじめている人の為に、自分流の論文の読み方についてお教えします。
私の論文の読み方は状況によって2つに分かれます。
①論文の分野が自分の分野とやや離れている場合
Abstract(要約) → Introduction(研究背景) → Materials and methods(材料と手法) → Results(結果) → Discussion(考察)
これは論文紹介で使用あるいは新しい実験を立ち上げる時など、自分のフィールドとはやや離れた論文を読まなければならない場合の読み方です。私は原則精読しています。研究の背景のみでなく基本的な専門用語を知らない場合がある為、Introductionを熟読しながら研究の目的を理解していきます。その後の項目も順繰りに読み進めます。結果や考察は実験手法について把握していなければ理解が進みません。遠回りなように見えて、正しい理解の為には論文の構成順に読み進めていくことを推奨します。
②論文の内容が自分の研究と大きく関連している場合
Abstract → (Introduction) → Results → Discussion → (Materials and method)
自分の卒業・修士・投稿論文に引用することを目的として、専門分野を共有している研究者の論文を読む場合、基本的には背景や基本知識、また実験手法といった項目に共通する部分が見られると思います。実験手法まで共通している場合は結果と考察のみを読んでしまえば欲しい情報は手に入りますし、異なるアプローチから近いテーマを考察しているのであれば実験手法も加えて読み進めましょう。何より背景知識が既に身についている為、①の場合と比べても解読速度は上がると思います。もし理解で引っかかる部分に出会ったら、その該当箇所をIntroductionから検索すればすばやく解決できます。修士論文ともなれば、数十本の論文を引用することになるでしょう。日頃からMendeley等の論文管理ソフトで参考文献を収集しておくことをオススメします。