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★食卓の上の多様性: 多様性の中心から

誰かと食卓を囲むとき,そこには確かに多様性が存在しています。このガイドでは,食卓の上にある多様性という視点からより多くの人がおいしく,楽しく食卓を囲むためのヒントを提供します。

多様性の中心から

このページでは,食事に制限のある当事者の方が日々の食生活で困ること,日本人の大多数とは異なる食の制約を持つ中で感じたこと,考えたことをまとめています。
好き嫌いほぼなし,食べられないものもほとんどない人間である私にとっては衝撃的なエピソードでした。

宗教と食の多様性

イスラム教の原則として,コーランやスンナ (預言者ムハンマドの言行を記したもの) において禁止されているもの以外は全て使ったり食べたりすることができます。また,本当にハラルか疑わしいもの (シュブハ) なもの (※1) もあり,それを食べることは避けるべきだと理解しています。しかし,イスラム教で定められた食の戒律にどこまで従うかは,その人が生まれ育った環境やイスラム教の教育によって異なります (※2)。
先述したように,イスラム教徒はコーランやスンナなどで何が許容され,何が禁じられているかが決まっていますが,それに従うかどうかは結局のところ本人次第です。イスラム教徒である自分の行動がイスラム教を知らない人に誤解を与えかねない,という危険もあります。

私個人の感覚としては,イスラム教では人間の健康や行動に影響を与えるために食べることが禁止された食品も多いように感じられます。宗教に興味・関心を持っていない人からすれば「宗教的に禁止されたものは私とは関係ない」と断ることもあるかもしれませんが,「なぜ禁止されたのか」を考えてみるべきだと個人的には考えています。

(※1) シュブハなものの例:原料が明記されていない乳化剤が添加された食品 (豚製品であるラードが原材料の乳化剤もある),豚肉以外であってもイスラム教の規程に則って処理されたかどうかわからない肉,酒粕の入った食品
乳化剤であれば「大豆由来」と明記されていればハラルなもの,原材料が明記されていないとシュブハなもの,という感じです。

(※2) 同じイスラム教圏であっても,トルコは外国人だけでなくイスラム教徒であってもある程度飲酒が許容されますが,サウジアラビアでは外国人観光客も含めて飲酒は御法度,違反した場合には外国人であっても処罰されます。

健康と食の多様性

・ライフステージによって食生活は変化したか,戸惑ったことはあるか
小学校の時は,食物アレルギー (乳製品,卵,そば,ピーナッツ) があるために給食が食べられず,弁当を持参していました。しかし,まわりの子どもたちの理解が得られず,いじめを受ける原因になっていました。小学校低学年のころから「親以外の人から与えられた食べ物は食べてはいけない」と教えられ、注意していました。
その後,日本国内のインターナショナルスクールに転校しました。インターナショナルスクールには給食はなく,代わりにカフェテリアや売店がありました。私のように弁当を持参する人も多く,弁当を持参しても問題なく馴染むことができました。小学校高学年から中学生の時には自分で食べ物の原材料表記を見て判別できるようになっていたため,コンビニでの買い食いなどもできるようになりました。しかし,パーティーなどになると出されたケーキや食事全てが食べられないことも多かったため、気まずい状況になることばかりでした。バレンタインやハロウィンでもらったお菓子も食べられませんでした。
友達などと外食に行く場合は,一度確認して食べられると知っているお店しか行くことができませんでした。今ではもう少し自由に食べられるようになりました。
友達からいたずらでカルピスを顔にかけられ,目がひどく炎症を起こしたこともありました。

・大学での食生活で困ったことはあるか
今では自分で食べられるものを判別できますが,キャンパス内の食堂では食べられるものがかなり限られています。
うどんと牛丼は安全ですが、それ以外のメニューはアレルゲンが含まれていることがあるため,多少のアレルギー反応を覚悟の上で食べることもあります (私の場合,卵アレルギーは比較的命に関わりにくいため,揚げ物の衣に含まれる卵程度は体調次第で食べることができます)。そばがメニューにある時期は,麺を茹でる湯に溶け出したそばの成分によるコンタミ (※1) のリスクがあるためうどんを食べることができません。
食堂で食べられるメニューがないときはコンビニのおにぎりなどを探しますが,商品のラインナップによってはコンビニの食品も食べられない日があります。そういう日はアンラッキーということでお菓子などで我慢します。

・飲み会や研究室,学会の懇親会で困ったことはあるか
事前に食物アレルギーについて説明し,エピペン (※2) を持っていることや緊急時にしてほしいことも説明した上で理解してもらえた場合のみ気を許して飲み会を楽しむことができます。
飲み会で出てくる食事は食べられないことの方が多いので、事前に食べてくるなどしてお酒だけでその場をやり過ごします。食べられるものがある場合は少量をつまみますが、それでも食べるか食べないかの判断に失敗してアレルギー反応が起こることもあります。私が所属する研究室の人たちは私の食物アレルギーをよく理解して,飲み会や懇親会での食事に不自由が少なくなるよう配慮をしてくれています。

(※1) コンタミ: コンタミネーションの略称。原材料にアレルゲンを含まない食品に原料の段階や製造過程など (調理器具に付着していた,空気中を浮遊していた) でアレルゲンが混入すること。ちりめんじゃこ (主にカタクチイワシの稚魚) に「原材料はエビ,カニが生息する地域で漁獲されました」とあるのはこれらのアレルゲンがコンタミネーションしている可能性があるため。
「小さいカニやイカがちりめんじゃこに混ざっていた」という,一見ラッキーな現象が命に関わることもあるんですよ。

(※2) エピペン: 虫刺され (主にハチ),食物アレルギーなどによるアナフィラキシーに対する緊急補助治療に使用される注射薬。アナフィラキシーを起こす可能性の高い患者 (重い食品アレルギーをもつ人など) が常備することで,発症の際に医療機関へ搬送されるまでの症状悪化防止に役立つ。

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