ピーンポーンパーンポーン (福岡空港に鳴り響くチャイムの音を思い浮かべて) 。
実は私,国内外の航空会社の安全ビデオ (機内での安全な過ごし方や非常設備の案内映像) をYouTubeで探しては再生リストに追加し,国ごと,あるいは航空会社ごとに比較をして楽しむというニッチな趣味があります。
余談ですが,個人的な一押しはスターフライヤーの安全ビデオ (私の地元が本社だということもありますが,とにかくかっこいい) です。北海道の翼・AIRDOのビデオはくまさん (ベア・ドゥ君) が可愛い。
その趣味の延長として航空会社のウェブサイトを色々と見ていたら,ほとんどの航空会社のウェブサイトに食事に制限がある人のための「特別機内食 (Special meal) 」を紹介するページがあることに気付きました。これも各航空会社のものをブックマークにまとめて色々眺めて楽しんでいます。
どの航空会社でも,実際の食習慣によらず,多くの種類の中から特別機内食を選ぶことができます (事前予約必要。また一部路線,座席クラスでは用意されていないメニューもある) 。「着いた先でいっぱい美味しいものを食べたいから,機内食は軽めのベジタリアンメニューにしよう」や「ハラルミールより食べる機会の少ないコーシャーミールを食べてみよう」といった不純な理由で色々なメニューを選ぶこともできます。実際にそうした理由で特別機内食を選んだ人の体験談がインターネットに多数あります。
おりしもこのガイドを執筆していた時期 (特に2020年上半期) は,新型コロナウイルス感染症の影響で海外はおろか国内旅行すらままならない状況でした。また各国を自由に行き来できる情勢になれば,これらの特別機内食を機内で楽しめるようになるでしょう。その前に海外に行くための旅費と時間が欲しい…。
「特別機内食」と一口に言っても,大きく4つに分類できます。多くの航空会社ウェブサイトでも,この分類に即して記載されていることが多かったです。
(主に日本航空,全日空の「特別機内食」の分類を参考にしています)
※掲載している写真はほぼ全て全日空のウェブサイト (一部は日本航空ウェブサイトより引用) より引用しています。
糖尿病,高血圧,消化器疾患など様々な理由で食事に配慮が必要な方のための食事メニューです。
代表的なものとしては
が挙げられます。日本の大手二社は上記を全て網羅していますが,海外のフラッグ・キャリア (国を代表する航空会社) でもアレルゲン対応ミールがない, 座席のクラスによっては用意できないミールがあるなど対応にはかなり違いがあります。
また,航空会社によっては以下のような特別機内食も用意されています。個人的にはフルーツミール (果物のみで構成) が気になります。
宗教的な理由から食事に配慮が必要な方のための食事メニューです。
代表的なものとしては
があります。
このほかにも牛肉を含まないミールや,ロシア正教徒向けのベジタリアンミールを提供している航空会社もあります。ターキッシュ エアラインズ (トルコ) やエミレーツ航空 (アラブ首長国連邦) などのイスラム圏に本社がある航空会社だと,「どの機内食もハラルミールであるから,特別にハラルミールを注文する必要はない」という記述が特別機内食の案内ページにあります。また,ユダヤ教徒にとって重要な宗教的記念日である過越 (すぎこし) のための発酵食品を含まないミールを用意することが可能な航空会社が欧米を中心にいくつかありました。
菜食主義を実践している方のための食事メニューです。
代表的なものとしては
があります。航空会社によってはフルーツミールがここに含まれます。
生野菜ベジタリアンミールを実際に食べた人 (「豚骨ラーメンを食べた」との記述があるので,純粋なベジタリアンではない) の体験談が個人ブログにまとめられていました。その中には「味付けはレモン汁だけ」とあったので,濃い味に慣れていると非常に厳しそうです…。
12歳未満の子どものための食事メニューです。
代表的なものとしては
があります。幼児食と離乳食の区分は日本航空以外だと結構曖昧で,幼児食に離乳食が含まれている航空会社もあります。
幼児食,チャイルドミールはともに柔らかく噛みやすい,かつ喉につまらせる危険性の低い食品でメニューが構成されています。また,子ども向けのかわいらしいデコレーションが施されたミールも多くありました。蓋を開けた時に喜ぶ子どもの顔が浮かぶようです。
ファーストクラスやビジネスクラスで,エコノミークラスの大人用機内食顔負けの豪華なメニューで構成されたチャイルドミールを提供している航空会社もありました。見ていて悲しくなったのは内緒です。