★食卓の上の多様性: 参考文献

世界各地の食文化について，地理的・文化的・歴史的背景も交えつつ紹介しているシリーズです。よく知っているつもり，あるいは知らずになんとなくのイメージだけで捉えていた国の食文化にも新たな発見があるかもしれません。
「イギリス料理はまずい」というよく知られた悪評について真正面から切り込むなど，読み物としても非常に面白いです。
九州大学附属図書館に蔵書があります。

日本では日常的に食べられている様々な肉も，ところ変われば「食べてはいけないもの」になります。この本では，「なぜ食べてはいけないか」の謎を古今東西の文献やフィールドワークをもとに解き明かします。牛肉，豚肉，鶏肉と日本人に馴染みの深い肉から，ラクダ肉や犬肉といった日本ではあまり出回らない肉まで幅広く「肉食のタブー」について記されています。
九州大学附属図書館に蔵書があります。

世界中で活動するジャーナリスト森枝卓士氏が，その取材経験や自身の食生活をもとに綴ったエッセイです。日本人が食べないアリの卵を食べる人々は鯨を食べない，など世界各地の食に接してきた筆者が食べ物のタブーについて考えています。
九州大学附属図書館に蔵書があります。

日本でまだまだ「菜食主義」についての誤解 (野菜しか食べない，質素で単調な食事になる) が根強かった2005年に出版された，医学的知見に基づいた菜食入門書です。
医学的な専門用語も一部に登場しますが，菜食主義の世界を知るための読み物としても楽しく読むことができます。
丸善の電子書籍ライブラリに所蔵されています (九州大学の構成員のみアクセス可能)。

日本人のサトコとサウジアラビア出身のナダ (イスラム教徒) が，アメリカでルームシェアをしながら大学生活を送る，いわゆる「日常系マンガ」です。ムスリマ (女性イスラム教徒) の監修つき。全話無料で読むこともできます。
イスラム教徒の生活や文化，はたまたイスラム教徒とかかわる人々の生活を垣間見ることができます。アバヤ (サウジアラビアのムスリマが着用する民族衣装) 専用の洗剤や，ラマダン (イスラム教の断食期間) は痩せると思いきや日没後にたくさんの食事を取るためかえって太ることなど，日本人にとっては新鮮な驚きに満ち溢れています。

国土交通省が2008年に発行した飲食店・宿泊業向けガイドラインです。様々な宗教や食習慣，さらには国ごとの食事に関する注意事項が事細かに記されています。読み物としてもボリューミー。
おもてなしを専門とする業種の方だけでなく，個人で行う食事会の準備などにも十分応用できる内容です。

2015年に文部科学省から発行された，食物アレルギーの子どもに対する給食対応のガイドラインです。それ以前もある程度は食物アレルギーへの対策は行われていましたが，2012年に給食を食べた後アナフィラキシーショックによる死亡事故が発生してから改めてガイドラインが制定されています。

主に子どもをもつ保護者の方を対象として構成されたウェブサイトですが，食物アレルギーに関する情報がまとまっています。
子どもが食べることを想定した，アレルゲンを含まない料理のレシピも紹介されています。

お酒に関する基礎知識 (アルコール分解酵素，アルコールの適量) や，お酒と楽しく付き合っていくための方法，さらにはアルコールにまつわる様々な問題 (一気飲み，アルコールハラスメント，アルコール依存症) について啓発しているウェブサイトです。
飲み会にかかわるすべての人に目を通してもらいたいくらいに重要なことがぎっしり詰まっています。お酒の誘いの断り方を紹介したポスターもユーモア満載で面白いです。

動物の倫理 (アニマルライツ) や環境保護，持続可能性社会の実現，という面から動物由来製品の非使用も含めたヴィーガンを推進している団体のウェブサイトです。
ヴィーガンに対する基本的なところはよくまとまっていますが，やや動物性食品摂取や動物由来製品に対する批判や思想が強いため，読み続けるのが辛くなる人もいるかもしれません…。

日本における菜食主義の普及・啓発を目的とするNPO法人のウェブサイトです。日本エシカル・ヴィーガン協会のウェブサイトよりは読むのに心理的抵抗が少ない気がします。イベントレポートをまとめたブログは頻繁に更新されていますが，ベジタリアン食を提供する店についての情報はやや古いです。

漫画や文学作品に登場するいろいろな料理の再現に挑戦したCute.Guideです。ライトノベルから文豪のエッセイ，ジビエ料理から和菓子まで，本の中に登場する食べ物も多様であることがわかるガイドです。ほとんどの食べ物がキッチンで再現できることにびっくりです。