ここまでのガイドを読んで,「実際に多様性のある食卓を囲む時にどのようなメニューを用意すればいいんだ!」と思った方も,「植物性食品だけで構成された献立が気になる…」と思った方もいるでしょう。
ここではもっとも制限の強いヴィーガン食 (動物性食品を一切使わない) で構成されたランチメニューを作って実際に食べてみました (ついでにアルコールも不使用。なので食材だけはハラルやコーシャーの基準も満たしてはいます) 。
※調理器具まで考えるとハラル,コーシャーの基準は満たしていませんが,食材だけはそれらの基準に適合しています
「大学生でも簡単に作れそう」,「財布に負担をかけにくい」という条件を考え,以下のようなメニューを用意しました。
実際に作って,盛り付けてみた時の写真がこちらです。
こんな感じの,洒落たカフェなら800円くらいは取れそうな感じになりました。もうちょっと盛り付けに気をつければよかったです。
伊都キャンパスから自転車で行ける範囲のスーパーマーケットに売っているもので簡単に作れますので,興味がある方は作ってみてはどうでしょうか。
まずは中東で広く食べられているひよこ豆のペースト,フムスを作ります。食物繊維やタンパク質,ミネラル,ビタミンが豊富で海外セレブにも注目されている料理です。最近は日本でも市販されています (周船寺某スーパー,大橋某スーパーで確認) 。
●材料 (3日くらいで食べ切れる量)
日本エスニック協会のレシピを参考に,分量などを調整しています。最終的には自分で食べて「美味しい!」と思うように塩気など調整しましょう。
●作り方
野菜をじっくり焼いただけのメニューですが,手軽さとは裏腹にとても美味しいです。
●材料 (一人分)
その他自分の好きな野菜や冷蔵庫にある野菜を無節操に焼いていけばいいと思います。葉物野菜やもやし以外なら多分なんでも美味しくはなります。
●作り方
味付けは塩こしょうにオリーブオイル,バルサミコ酢とオリーブオイル,市販のドレッシングなどお好みでどうぞ。私は「えっすごく甘い!瑞々しい!」と味付けを考える暇もなくもりもりと食べてしまいました。
フムスの飾りに使ったイタリアンパセリが余り,ついでに冷蔵庫に使いかけの玉ねぎがあったので作りました。
こちらのレシピを参考にはしていますが,余り物で作ったので分量は適当です。
●材料
●作り方
本格的なレシピではブルグルと呼ばれる挽き割り小麦 (クスクスという小さいパスタで代用することも) も使うそうですが,完全に思いつきだったので入っていないです。
すべてのメニューを用意し,薄く切ったパンを盛り付けて,ヴィーガンランチの完成です!
以下,実際に食べてみた感想です。
●フムス
流石にフォークで潰しただけだと粗いですね…。でもぽってり濃厚でとても美味しいです。
潰しの粗かった豆や皮も食感にアクセントを添えていました (気になる人はフードプロセッサーで作るなり皮を取るなりしましょう) 。
飾り付け&風味づけにクミンパウダーを振りかけましたが,これが「異国の料理感」を強めていました。無論クミンがなくても美味しいです。
ボリューミーだけどしつこさはなく,お腹にがっつりたまる不思議な食べ物です。
●グリル野菜
どの野菜もとにかく甘かったです。むろん砂糖などは入れていません。
ピーマン,パプリカはとろりと柔らかく焼きあがりました。丸ごと焼いたピーマンはししとうのように種ごと食べられました (気になる人は種をとっても)。
かぼちゃは薄いところがパリパリ,厚いところはねっとり甘い,と厚さによって食感が全然違います。食感の違いが気になる人は均一に厚く切ることをお勧めします。
●タブレサラダ
とにかく爽やかで,フムスでこってりとした口の中をリフレッシュさせてくれます。夏の新定番になりそう。
本場のレシピではミントを入れることもあるようですが,今回は省略しました (手に入らなかったため) 。もっとパセリが多くてもいいですね。
本当に思いつきで作ったヴィーガンランチでしたが,とても充実したランチタイムを過ごすことができました。今回は中東のテイストが強い献立になりましたが,ご飯を主体にした和風の献立を組み立ててみたり西洋料理のテイストを強くしてみたりと,いくらでも楽しむ方法は考えられますね。動物性食品を使わない,という制約があるからこそ創意工夫が光るな,と食べながら考えていました。
余談ですが,動物性油脂のベタつきがないためか普段の食事よりも洗い物は断然楽でした。