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【解説】
手習いの二回目は、九大本『扶桑名勝図』から、「安藝国巖嶋記事」の抜粋です。
『扶桑名勝図』は、川平敏文・勝又基「『扶桑名勝図』考 : 九大本を中心に」(平成10年「文獻探究」第36号、16-30頁)で書誌情報や成立過程が詳しく研究されています。一部を引用しますと、
『扶桑名勝図』は、いわゆる「日本三景」(厳島、天橋立、松島)に吉野山を加えた四名所の詳細な木版手彩色画に、福岡藩儒貝原益軒、仙台藩儒佐久間洞巌らの解説を付したもので、京都の書肆柳枝軒(小川多左衛門)によって、正徳三年から享保十三年に亙り逐次刊行されたものである。
とのことです。この論文によれば、「安藝国嚴嶋記事」は、福岡藩儒の貝原益軒の奥付がある『東路記』の「安芸国厳嶋記事」を加筆修正して成り立っているとのことです。
画像は、安芸の宮島こと厳島について、基本的な事柄が書かれた箇所を抜粋しました。宮島はどこにあり、どのような様子なのでしょうか。ちょっと長いですが、旅人になったつもりで読んでみましょう。
なお、九大コレクションでは、挿絵も含めて全巻を見ることができます。
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手習い其の二:『扶桑名勝図』より |