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【解説】
手習いの最終回は、十三行古活字版『枕草子』からの抜粋です。
『枕草子』といえば、言わずと知れた清少納言による随筆。小学校・中学校で暗誦した思い出のある人も多いのではないでしょうか。
平安時代に書かれたこの随筆は、古くから写本として書き継がれ、現代に伝わっています。ただ、書き継がれる際に、文章や内容に異同が生じることが多々あり、複数の系統の本文が生まれました。そうした経緯や、本学所蔵の『枕草子』については、本学で教鞭をとっておられた今西祐一郎先生による詳細な解説があります。
[参考]
Cute.Guides:「貴重資料(九大コレクション): 枕草子」(今西祐一郎)
これによりますと、『枕草子』の本文は「三巻本」「能因本」「前田本」「堺本」の四系統があり、現在教科書などで広く通用しているのは「三巻本」系統なのですが、今回画像で表示した十三行古活字版『枕草子』は「能因本」系統にあたるとのことです。
画像では、非常に有名なとある一節を抜粋しました。すぐに「ああ、あれか」と分かる人も多いでしょう。ですが、よく読むと、ところどころ、記憶と違う部分が見つかるかもしれません。そうした違いも意識しながら、読解に挑戦してみましょう。
なお、九大コレクションでは、『枕草子』関連の下記の貴重資料の画像を見ることができます。
手習い其の三:古活字十三行版『枕草子』より |