Cuter本棚～九大図書館で読めるオススメの一冊～: 1年生に読んでほしいおすすめ本コーナー

大学に入学して授業が始まると、ほとんどの理系の学生に立ちはだかるのが「微分・積分」の概念。数学はもちろん、力学、電気、化学など様々な分野で嫌というほど出てきます。
この「微分・積分」を高校生でも理解できるレベルで解説するのがこの本。初めはその概念、考え方について説明した後、微積分を使ってテーラー展開やフーリエ級数といった後々使うであろう式も解説しています。
理系なら一読の価値あり！です。

とにかくわかりやすい。あんなに授業で苦労して、結局たいして内容を理解できなかったことがここまで分かるようになるのかと衝撃を受けました。級数展開から始まりフーリエ級数、その複素級数への拡張、その後、フーリエ積分、フーリエ変換への応用と、どのように拡張されていくのかわかりやすく説明されています。この著者が書いた「なるほど」シリーズのほかの本は、九大図書館や福岡市図書館で借りることができ、そちらもわかりやすくオススメです。

なんか話がかみ合ってない、自分の意見が通じてない・・・
この本は、誰もが一度は経験したであろう自分の話が伝わらないことに着目した本です。なぜ伝わらないのか、どうしたら伝わるのかを
実際にあった通じてないことの相談や、筆者の体験談などを交えてわかりやすく解説しています。今後の大学生活をより良いものにするために
是非一度読んでみてはいかがでしょうか？

大学生になって、皆さんは本を読む機会がこれまでより圧倒的に多くなることと思います。「本を読む」というのは、一見単純なことのように思われますが、しかし、その行為には非常に奥深いものがあることを教えてくれるのが本書『本を読む本』です。本書は、「読むに値する良書を、知的かつ積極的に読むための規則を述べた」もので、こうした読書法を実践しているかいないかで、皆さんのこれからの読書人生は大きく変わると思います。是非一読してみてください！

私自身を振り返っても、実りある豊かな学生生活を送るのは、なかなか難しいものです。大学も3回生になったいま、本書の主人公である「私」はこの2年間の学生生活を悔み、嘆きます。「あのサークルに入っていなければ！あの時他の選択肢を選んでいたならば！」――これからの学生生活に対する心構えの本として読めるのと同時に、読了した後は「こんな灰色の学生生活も悪くないな」と思えかもしれません（笑）。

大学に入ったからには、海外旅行なぞしてみようと思っている人も多いのではないでしょうか？本書は著者の小田実さんが、ほぼ無一文の状態でアメリカをはじめ世界各国をバックパッカーとして漂流した記録を基に描かれた体験記です。半世紀以上前の作品なので、現代と時代背景が異なっていたりもしますが、単純に旅行記として見る分には、問題なく面白い一冊です。お金もツテもなく、自分の足と愛嬌だけで世界中を駆け巡るその姿は一見に値します！

イタリアの小さなまち、レッジョ・エミリアで実践されている革新的な幼児教育に関する本です。デューイ、ピアジェ、フレネなどの理論を統合した、アートを用いた幼児教育を行います。アートの領域は美術、音楽、言葉、舞踏などで、テーマは「光」、「色彩」、「モノ」、「身体」、「場所」、などがあり、それらの教育を受けた子供たちの発する言葉は大人が驚かされるものばかり…私の大学院入学のきっかけとなった一冊です。

古事記＝日本最古の書物。学校で習い、その題名を知っている人は多いと思います。しかし、その内容を知っている人はどれくらいいるでしょうか？古事記には日本の国土や八百万の神々がどうやって生まれたのか？が記されています。そしてその神々にまつわる神話がいくつも展開します。アマテラスが隠れた天の岩戸など、九州には神話に登場する場所が沢山あるので、学生の間に古事記を読んで実際その場所を訪ねるのも楽しいかもしれません。

コミュニティ・デザインとはなんだろう？聞いた事あるけれど、どんな事なのかよくわからない。でも気になる…という人のために。コミュニティ・デザインに関わる26人の共著で、26通りのコミュニティ・デザインの方法の要点を知ることができる一冊。地域社会とのつながりや、地域復興、人とのつながりや生き方、働き方などに興味のある人には是非読んでみて欲しい１冊です。

私は和菓子のデザインが大好きです。手のひらのサイズで四季折々の美しさを凝縮し表現する和菓子の世界は非常に奥深く、ひとつのアートといえるのではないでしょうか？そんな和菓子のデザインをより追求し、四季以外の日常の一部も切り取り、可愛らしく表現する、女性２人組の和菓子ユニット「日菓」の作品集です。デザインを専攻したい人は特に、一つのアイデアや視点であったり、空間構成や色使いなどは、参考になると思います。

フランスの哲学者ジャン＝ポール・サルトル（Jean-Paul Sartre, 1905-1980）の実存主義をアナキズムの視点から再評価する画期的な研究書。サルトルからジャック・デリダ（Jaques Derrida, 1930-2004）、ジル・ドゥルーズ（Gilles Deleuze, 1925-1995）への影響が感じられる。本書では、構造主義によるサルトル批判が逆に批判される。独我論を批判しつつも関係性には還元不可能な複数性が提示され、他者を自由な主体として見なす倫理が提唱される様は感動的である。サルトルファン感涙の一冊。

英単語を覚える時は、類義語や語源といったグループで覚えるのが早道。この本では、単語がおよそ100のグループに分類されており、その使い分けが詳しく説明されている。著者の植田一三さんは、ベレ出版から英語参考書を多数出版している、信頼のおける英語の達人です。英検やTOEFLの対策にはもってこいの一冊になるでしょう。

デフォー『ロビンソン・クルーソー』は、時代ごとにいろいろな「ロビンソンもの」を生みだしてきました。そして時代ごとに、『ロビンソン・クルーソー』に対する「ああアレね！」というイメージもまた、作り出されたのでした。本書では、『ロビンソン・クルーソー』のイメージが規定されていく歴史が論じられており、比較文学や間テクスト性の勉強になるでしょう。

都市空間を舞台に、失踪者を追っていた探偵が逆に失踪してしまうまでを描いた、安部公房の反探偵小説。海外の作家にも多くの影響を与えており、アメリカのポストモダン作家ポール・オースターにも影響を与えている。最終的に探偵は、国家や既成事実からも失踪することになる。既成の権力やくだらない人間関係から失踪したい人におすすめの一冊。

少年が宝を求めて冒険する物語. 舞台はスペインからエジプト. 少年の冒険は不思議な夢を見たことから始まるのだが, なにより少年を真の冒険に導いたのは出会う人々であった. 繊細な少年が夢を実現していく過程に学ぶ事は多い. これから夢や目標を追いかける上でのより自分に適したmind-setが得られるかもしれません. 物語としても面白い. 少年は``一人”ではありません.

生物学者福岡伸一先生が日常レベルの質問に生物学的見地から答えた本. 例えば「彼は筋金入りの草食系男子. 栄養学的に問題ない？」「蛇足ですが, … 草食動物のセックスは本来激しい行為でそれはそれは…」てな感じで笑いながら読めますX) 受験を経て, 教科書の字面から学ぶ機会が多かったと思いますが, 大学では人間味溢れるおもしろい方々の語り口から学ぶ機会を持つことをお勧めします.

無農薬でリンゴを実らせた木村秋則さんを取り上げたドキュメンタリー小説. 木村さんの経歴や人となりに触れ, 奇跡(!)のリンゴが実るまでを記録してある. 自然を考え直したし, 自然に耳を傾き続けた人に憧れました. 木村さんの自然観にも注目して欲しい. 僕はこの本に, 一人で強引に生きるのではなく, 自然や他人の自分以外を尊重する生き方を見ました.

高校と大学の一番の違いの一つが、「図書館」を使う頻度が格段に上がることだと思います。レポートを書くとき、講義の調べものをするとき…ほぼ全てのことに図書館が関わっていると言っても過言ではありません。この本が教えてくれるような図書館の使い方を知っていれば、今後の大学生活で非常に役に立つと思います。

大学生になり、受験期と比べると時間に余裕ができることも多いと思います。そんなときだからこそ、古典を読んでみませんか？100年以上も人気を誇る小説には何かしらその理由があるはずです。「こころ」は今日もまったく色あせないぐらい面白く、登場人物の心情がきめ細やかに描かれています。この本をきっかけに古典の面白さを知ってもらえると嬉しいです。

映画やドラマにもなっているので、知っている方も多いと思います。主人公は皆さんと同じぐらいの年齢の青年なので、彼になったような気持ちで読み進めると色々と感じるものがあると思います。今年は戦後70年でもあるので、過去の戦争をどのようにとらえるか、という視点で読むのも面白いかもしれません。

生きる悩みを抱え、どうしようもない状況にある学生にオススメします。優等生として育ち、大学生になって生きづらさに悩みもがいた著者は、「強く」なるための秘訣を説いています。自己啓発の類とは比べようもない、あまりにも厳しすぎる要求を突き付けてくる本です。しかし、本当にみずからの弱さに苦しんでいる方には福音となる本だとも思います。

学部一年生は必読の書！新進気鋭の歴史学者である與那覇潤氏の学部教養科目の授業を再現したもの。社会学における再帰性という概念でもって、いかに自己理解としての日本人像が生成されてきたのか明快に論じる。歴史を語る際の基本的な考え方と作法が学べるはずです。巷に広がる愛国的な言説が好きなあなたも、飽き飽きしているあなたも、「大学でものを考えるとはどういうことか」が凝縮された本書に触れてみては。

この本を読んで、ガンジス川を目指した大学生がどれだけいただろう。生とは何か、死とは何か、愛とは何か、信じるとは何か。その答えのすべてがインドにあるかのように、それぞれの問いを持ってやってきた５人の日本人。背負いきれない罪や苦しみや迷いにあっても懸命に真理を求め続ける人間、愛も憎しみもすべてを深い懐でもって飲み込む神々しいガンジス。読んだ後、あなたもガンジスに呼ばれるだろう。６回も読み直してインドに２回行った私が言うのだから間違いない！

ある小説家は「『嵐が丘』に戦慄できずに20代になったら、それほど悲しいことはないだろう。『嵐が丘』は10代のうちに必ず読んでおくべき一冊だからだ」といっています。たしかに主人公たちの野蛮で乱暴な、悪魔的で憎しみに近い、しかし純粋で激情的な愛に一度も戦慄できず20歳を迎えてしまうのは〈悲しい〉ことです。なぜなら10代から遠くなればなるほど、そのような愛を頭で理解することはできてもそれに戦慄を感じることはできなくなるからです！『嵐が丘』はストーリーと自然描写と小説の構造が相まって主人公たちの愛の形をもっとも効果的に表現しているので、この本を読みながらぜひ一度、彼らの愛を経験してみてください。

この小説は「恋愛小説を書くなら『嵐が丘』のような小説を書きたい」という一心から、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を〈真似して〉書かれました。創作において〈真似〉はよくないことと思われていますが、この著者はむしろ「真似することに意味がある」といいます。それはいったいどういう意味でしょう。そもそも著者はなぜ他の恋愛小説ではなく『嵐が丘』を選んだでしょうか。また両作品の類似と差異は何でしょう。この本はこのような「問いかけながら読む」「問いの答えを探しながら＝分析しながら読む」という体験をしてもらいたく選定しました。この本も『嵐が丘』も、激情的な恋と復讐といったストーリーをとても面白く書いているのでまず両方とも読んでみてください。そうするだけでも自然と〈分析しながら読む〉ことを経験してしまうと思います。

この本の魅力は何よりも、〈他人のレポートがそのまま見れる〉ことです。著者は自分の大学国文学関連授業中に実際出されたレポートを多く引用しながら、どこが良くてどこが良くなかったのかまたはダメだったのかコメントしているので、それを読んでみるだけでも自然とテキストの読み方が分かってきます。もちろんレポートの書き方や文章の書き方についても触れられているし、大学生活のためになる話もふんだんに盛り込まれており、それがまた読みやすい文章で書かれているので、新入生には絶対役立つ一冊です。