昨今の教育現場では専門が高度に細分化されていて
専門外のことを知る機会はほとんどありません。
一分野の大家であっても、門外漢からすれば名前すら知らないということもざらにあります。
他方で科学者は時として良き作家でもあります。
彼らの書く文章は明快かつロジカルです。
彼らの文字を通して見る学問の世界は、活き活きとしていて魅力に溢れています。
今回はそんな、一線級の科学者達の本を様々な分野から集めました。
彼らの言葉の奥から、きっとワクワクするような学問の世界を感じることができるはずです。
吉崎 悟朗 教授(東京海洋大学)
メディアへの露出も多い、東京海洋大学の吉崎先生。
絶滅の危機に瀕している魚種を守るために、産卵に必要な生殖細胞を保存し、
将来必要になった時に他の魚に産ませるプロジェクトを進められています。
梅田真郷 名誉教授(京都大学)
生体膜システムを構成する脂質分子に着目し、その集団的な秩序の制御から個々の脂質分子が生体膜に及ぼす作用まで、脂質生化学分野の第一線で研究を進められてきた梅田先生。
梅田研究室からは多くの優秀な研究者を排出されており、今ではその先生方がこの分野を牽引されています。
前野ウルド浩太郎 博士(国際農林水産業研究センター)
論文や学会以外のメディアや書籍でもしばしばその名を目にするため、研究者でなくとも前野博士の名前を 知っている方は多いと思います。
「前野ウルド浩太郎」というのは研究者名。「ウルド」 という文字に込められた意味が知りたい方は、本書をぜひ読んでください。
利根川 進 教授(マサチューセッツ工科大学)
免疫系で働く抗体の多様性が生まれる仕組みで1987年にノーベル医学・生理学賞を受賞。
その後も、記憶の分子メカニズムの 解明で数多くの業績を挙げ、 今もなお精力的に研究をされている。
赤祖父 俊一 教授(アラスカ大学)
オーロラ研究の第一人者といえば赤祖父先生と言われるほど、この分野で有名な科学者で、オーロラ研究の世界的権威です。
自らの足で 何度もオーロラ観測を行い、オーロラの魅力を一番知っている方でもあります。先生がこれまで書かれてきた本や論文で紹介してきたことは、今でも多くの研究に用いられています。
橋本 幸士 教授(大阪大学)
「そりうし」Tシャツでお馴染み、日本を代表する超弦理論の研究者です。
一般書、専門書、雑誌解説問わず、広く執筆活動もされています。
浪速坂教授との関係性はいかに・・
スティーヴン・ストロガッツ 教授(コーネル大学)
論文の総被引用回数4万回を超える 非線形科学の大家です。
超一流の研究者でありかつ研究の面白さを惜しみなく世に伝え続けています。
この本は2003年、アメリカディスカバー誌によるベスト書籍に選ばれています。
リチャード・P・ファインマン 教授(1918 – 1988)
数々のユーモラスなエピソードで知られるみんな大好きファインマン先生。
個性的な側面が強調されがちな物理学者ですが、業績も超一流です。
後年は教育や科学倫理においても精力的に活動され、カルフォルニア工科大学卒業式での「カーゴ・カルト・サイエンス」についての式辞はあまりにも有名です。
藤田 一郎 教授(大阪大学)
ヒトやサルの視覚の脳内メカニズムについて、長年最前線で研究を行っています。
近年は質感の視覚情報が脳内でどのように処理されるかという 研究に取り組んでいます。
レイ・ヒルボーン 教授(ワシントン大学)
海洋資源の管理や定量の研究において著名な海洋生物・漁業学者。
科学的考察に基づいた漁業資源の 持続可能な管理について研究しており、「ヒトと海」の健全な関係性を 追求する先生です。