Cuter本棚～九大図書館で読めるオススメの一冊～: 大学生活を楽しもう！新入生にぜひ読んでほしい本

本書は、大学の講義において講師2名の対談をまとめたものです。信仰がもたらす作用や宗教の機能について、現象学的にアプローチに基づく議論が展開します。「宗教勧誘にご用心！」といった新入生を対象とする注意喚起は一つの典型であり、そうした紋切り型を無批判に摂取し、否定的な印象を抱いてきたのは、他でもない私ですが、宗教という営みとの適切な距離の置き方を本書から考えさせてもらいました。無知であるが故の偏見をぬぐいさり、正しい知識に基づいてまなざすと、宗教が学問的な好奇心を喚起してやまない対象であることが分かってきます。

ネットやニュースなどでAIや画像・音声認識といった言葉をよく耳にします。こうした技術はなんだか「すごそう」なイメージがあるのですが、実際にどのような仕組みで機能しているのかを知る機会はなかなかありません。本書はこの機械を用いた情報処理の基本となるディープラーニングの仕組みを、イラスト付きで分かりやすく、納得できるように説明しています。

少しハードかもしれませんが、一番オススメしたい本です。私は修士のときに本書と出会いました。本書を一通り読んだ後から、日ごろ様々なメディアから得る情報の受け取り方が大きく変わる体験をしました。批判的な読み方、聞き方が身に付き、明らかに誤った情報を見分けられるようになったり、文章の真意を取り違えないためのトレーニングになると思います。また、大学には様々な学部・分野がありますが、ほとんどの場合、そこでの情報のやりとりは日本語でなされます。論文や発表だけでなく、メールなどの周辺活動も含め、学問に取り組むときに使われる言葉は論理性が重視され、日ごろ皆さんが使ってきた言葉ではあまり気にしなかったこと、たとえば、主張の根拠は何か、導出過程は適切かといったことにも、気を配らなければなりません。本書は、外国語に接するように日本語の構造を見直すことで、日本語が本来持つ力を引き出すためのトレーニング用に作られています。論理を味方につけて、これからの大学生活を思いっきり楽しんで下さい。

物事の進歩における認知的分業の必要性について意識しておくことは、学問に取り組む上で役に立つと思ったので本書を推薦します。読み物としても面白いです。

これから一人暮らしを始める皆さん、自炊スキルは今後のあなたの活躍を支える最重要スキルの一つです。本書を読み、調理プロセスで何が起きているのかを意識することで、料理の時間が科学の時間に変わります。理系のみなさん、実験のセンスも磨かれますよ！

私は博士課程2年になって初めて読みました。今の私が読んでも、自分に足りないことの気づきや学べる事が多く、良書だと思います。著作権に関することなど、重要事項をまとめたコラムも必読です。

人付き合いやコミュニケーションについて、興味がある人にオススメの本です。

1970年代初期という時代の制約は端々にありますが、自分の力で社会について考え、社会と向き合うための足掛かりとなる本だと思います。

コミュ障という言葉はよく耳にします。でもコミュ障って何でしょう？うまく話出せないこと？会話のキャッチボールができないこと？自分がコミュ障だと思っていた人もそうではないかもしれません。自分の殻を破るために、でも過度な迷惑にならないように、コミュ障について理解してみませんか？

生物に関する現象は、①「どのような機能をもつのか」、②「どのような仕組みで起こるのか」、③「どのように発達するのか」、④「どのように進化してきたのか」、という4つの視点から迫ることができます。

近年千年に一度の大地震や大雨など自然災害で甚大な被害が出ています。このような災害を予想し、被害に備えるには10年、100年どころか、もっと長いスケールで気候変動を捉えることが大切です。そこで、この本では地球が出来てから現在までの気候変動を知ることで、将来起こり得る災害について考えることができます。

エッシャーのだまし絵を見たことはありますか？階段を登っているようで元の場所に戻ってきてしまう絵など有名ですよね。そもそも錯覚はどのような原理でおこっているのでしょうか。この本は錯覚の仕組みを通して人の脳や知覚の仕組みを捉えていく本になっています。

人類は農業社会に入ったことはよく文明の進歩と言われてきたが、歴史はそんなに簡単な話ではありません。狩猟生活と比べると労働量が多くなり、自由がなくなるにも関わらず、階層社会が生まれ、寿命まで縮まってしまいました。進歩は必ず一方通行ではありません。もっと複雑な存在です。例えば、なぜこんなに大変なのに、人類は農業社会に入りましたか。同じ炭水化物なのに、なぜ穀物は選択されましたか。その様な問題に、未来が繋がっているかもしれません。

人工知能という言葉が誕生したのは1956年にダートマスで開催された国際会議でのことです。以降2度のAIブームを経て、今や家電量販店でもAIという言葉が喧伝されていますが、実は近年「ディープラーニング」という手法の開発によって、人工知能開発が飛躍的に進歩しています。本書ではこれまでの人工知能開発の歴史に触れながら、ディープラーニングという技術革新を平易に解説していきます。