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アーカイブ情報あれこれ: National Archives (旧PRO、英国国立文書館):第1回

概要

(世界トップの検索ステムPublic Record Office Online Catalogue)

**2003年5月の記録です。当時はPRO(ピロー)でしたが、現在National Archivesに名称が変更されています** **2007年8月の記録も最後の段落をクリックしてください。英国は小さな改革を惜しみなく推進しますので、変更点を確認してください。**

 イギリス編のサブメニューのThe National Archives :第二回も必ず読んでください。TNAと略称しています。

交通

  Heathrow空港からは、ピカデリー線でHammersmith駅まで行き、進行方向 右にある隣のプラットホームのディストリクト線「Richmond行き」(同じディストリクト線の「Ealing Broadway行き」には乗らないこと)に乗り換えて、Kew Gardens駅で下車。料金は2.10ポンド。改札を出て、到着したプラットホーム側から改 札を出て、左側にいく道を見ると、黄色い表示板が目に入る。それににしたがって、左に曲がりBurlington Ave.をテムズ河方向にまっすぐ歩く。交通量の多いMortlake Roadにぶつかり、押しボタン信号を渡り、Defoe Ave.を超えて目の前にあるのが英国国立公文書館Public Record Officeである。白鳥とカモが泳いでいる池の間を通り抜けると回転扉の入口。

  Heathrow空港からは30分ほどで、ロンドン市内からは50分みておけば十分だろう。交通の便は非常にいい。別法もある。National Rail のWaterloo駅から20分でRichmond駅。同駅正面で道路を渡り、路線がPROまで延長されたバスR68に乗って、終着Kew Retail Parkで下車。歩いて駐車場を抜け、2分。本数は多く11~15分間隔で運行され、料金は70pである。Richmond駅から地下鉄(シルバー線とディストリクト線)を利用し、Kew Gardens駅で降り、歩いてもよい。1ポンド。(直進してPROに行かずに、Mortlake Roadを左に進むと、Kew Green・Kew Bridgeにぶつかる。またMortlake Roadから地下鉄(地上)の路線に沿って右の歩道をテムズ河に向かってすすむと散歩道に出くわす。テムズ河沿いの散歩は快適であった。Kew Green・Kew Bridgeを通るバス65番と391番に乗ればRichmond駅に行ける。)

 慣れれば490番バスに乗り込んで、Richmondに行く手もある。490番バスでSouth Western RailwayのあるFelthamまで行き、そこからRichmond駅とかWaterloo駅に行く手もある。様々なやり方を試していただきたい。285番バスはFeltham駅と地下鉄ピカちゃん駅のHatten Cross 駅を結んでいる。

様々な行き方ですが、下記の画面でぜひ駅名を入れてください。様々な行き方が表示されます。

https://www.tfl.gov.uk/
 
  

 念のため追記しておきます。バスはOYSTERでしかのれなくなっている。現金は受け付けない。PROからTNAに呼び方が変わっています。490番バスとR68番バスで行く方法については続編で詳述しています。シルバーラインは名称が変わりました。

食事

  PROの1階にレストランがあり、朝飯は10時から11時までやっており、11時半から2時までランチをやっている。ランチで僕が食べたのはRiceであったが、Riceに何かをかけて、ジャガイモ類から1点を選び、また野菜から1点を選んで5ポンド弱であった。レストランや喫茶部cafe barでは飲み物・サンドイッチなども売っている。自動販売機でコーヒーは80pである。無料の水・冷水もある。

  Kew Gardens駅をでたところで、BreakfastとlunchをやっているCoffee Pagodaという店がある。午前7時半には開いていたので、朝飯はここでとれる。Kew Retail ParkがPROに隣接していて、スパーMarks & Spencerなど6店舗ある。スパーには寿司もあり、飲みものから食べるものまで一通り揃っている。

 Kew Garden駅のKew Garden側にTESCOがあるので、ここでクロワッサンを購入するのが安上がり。TNAの食堂は少し高い。

泊まる所

  PROのホームページからB&BのリストList of accommodation in private homes for Public Record Office visitorsに入る。そこからE-MAILで申し込むのが簡単。(追記:ホームページのアドレスが変更されています。 http://www.kewaccommodation.com/からB&Bをさがしてください。)今回歩いて15秒というところに泊まった が、メールで申込をして5軒目にやっと予約がでた。一週間100ポンドというB&Bは予約でふさがっていた。僕が泊まったのは一泊27ポンドの Kitchenさん宅。100ポンドのB&Bは、食事は出さないみたいだが、そのほうがいいかもしれないと思った。帰りは Kitchenさんがタクシー(Kew Cars:020-8568-6666)を手配してくれ、15ポンド でヒースロー空港まで行けた。KitchenさんのBBでは鍵を渡され、門限なし。朝飯はパンとゆで卵、コーンフレイク5種類、コヒーか紅茶である。電話は取り次いでもらえる。机・ベツト・湯沸し・スタンド・TV。バスとトイレは共用。温めるだけなら電子レンジOK(2007年は不可)。日本への電話はPROの公衆電話を使い、KDDI:0800-6311-001とカード番号でかけた。宿泊名簿を見せていただいたが、アメリカ人が多かった。

 携帯電話の国際ローミングで日本には簡単にかけられるようになりました。タクシーですが、空港まで予約を入れて20ポンドほどです。(020-8568-6666 Kew Cars 21ポンドとネットで表示。2018年3月
 
 ★Patricia Kitchen
 18 Defoe Avenue,Kew Richmond Surrey 
 TW9 4DL 020-8878 0563  Fax: same foxki@tinyworld.co.uk

第二回にお奨めB&Bを紹介しています。そちらをご覧ください。

 

 

その他

 PROに行く前にパラパラと眺めておくとよい本。

清水元編『英国立公文書館の日本・東南アジア関係史料』(アジア経済研究所、1992)請求記号は古いが、これをたよりに検索すれば有用。

佐藤編『日本・中国関係イギリス外務省文書目録』(クレス出版)


高田実「イギリス議会文書の基本的性格と利用方法」(JCAS Occasional Paper,No.2,1999)議会文書は日本の大学で所蔵しているかどうか、事前に調べるべきである。


John D Cantwell, The Second World War―A Guide to Documents in the Public Record Office―,ISBN1-873162-60-x.

              PRO開館時間     資料請求時間
 Monday          09:00 - 17:00   09:30 - 16:00   (閉館になった。)
 Tuesday          10:00 - 19:00   10.00 - 16.30
 Wednesday        09:00 - 17:00   09:30 - 16:00
 Thursday         09:00 - 19:00   09:30 - 16:30
 Friday           09:00 - 17:00   09:30 - 16:00
 Saturday         09:30 - 17:00   09:30 - 12:00 & 13:30 - 15:00
 Sunday              closed      closed

  現在、始まる時刻が09:00に一本化された。閉まる時間は上記と同じで、火曜日と木曜日が19:00までで他あとは17:00まで。


 
現在月曜日は開館していません。月曜日は閉館です。British Libraryで仕事をしてください。帝国戦争記念館でリサーチルーム資料を眺めることも可能です。身分証は不要ですが、事前に予約をする必要があります。

閲覧まで

 PROに入館すると、左側のSecurityで簡単にカバンの中のチェックを受け、Receptionで登録手続きに入る。カウンターの後ろにあるパソコンで住所や職業・目的を簡単に記入して、カウンターに行き、名前と有効期限をREADER’STICKETに書き込んでもらい、READER’S TICKETを渡される。この際IDとしてパスポートが必要。初めて訪問する人には、15分くらい一通り館内を案内され、説明を受ける。黙って聞いていればよい。無料のロッカーがある。(ちょうど僕がいっているときに、1ポンドロッカー(使用後返却)から無料ロッカーへの工事が終了した。イギリスは小さな改革を惜しみなく行なうと感じた。立派!)トイレ・売店・レストラン・喫茶部(cafe bar)・公衆電話は1階にある。なお警備員室は玄関回転扉から入って、右手の扉をあけるとすぐの右側にある。

  1階のSecurity BarrierをREADER’S TICKETを通して、入館し、2階のDocument Reading Roomに行く。事前申込制度「Advance Order」で3点(予備3点と併せて6点)を日本で申し込んでいったので、PROがメールで返信してきた「Advance Orders 申込書」を見せたら、座席番号と資料3点を渡してくれた。PROでは座席指定Seat Allocationと同じ番号の棚で書庫から出てきた資料をいったん保管するので、入館したら第一に座席指定Seat Allocationを行ない、それから資料を請求する。(マイクロ閲覧はSeat Allocation不要)事前申込制度「Advanced Order」については、PROのホームページに説明されているので、必ずみられたい。日本で検索できるのは、どれだけありがたいか、恩恵は計り知れない。

  (PROのいい点は、この検索システムONLINE CATALOGにより所蔵資料が日本にいながら事前に把握できる点にあり、それゆえ効率よく作業できる点である。年度で絞り込めるので、1年か2年間ぐらいにしたほうが、ヒット件数が少なくてよい。最後のFOとかCABとかは入力不要。キーワードを例えば「JAPAN」にして、年度を適当に設定してお試しあれ。米のNARAの検索システムOASISだと大雑把であるためヒットせずに重要な項目を見逃す場合もあるが(資料が膨大なため仕方がない)、PROは資料が細分化され、よくできている。)

  資料を3点受け取ったら、資料3点を請求できる。ただ分厚い本のような資料は1点しか渡されない。外交資料FOと内閣資料CABだと別々に閲覧するシステムなので、その場合には1点か2点しか閲覧できない。(実際には1点受け取り、暫らくしてからカウンターに行けば受け取れる(PROのシステムでは識別不能)が、ルールは守ろう。)1日21点まで請求できる。資料は35分以内に出てくるので、うまく回転させれば、無駄な待ち時間はない。マイクロフィルムの閲覧や目録検索室Research Enquiries Roomで資料請求時間までの空き時間はつぶせる。[パソコン検索と番号順に並んだSERIES LISTS(目録・チェックリスト)の併用が効果的だと思ったが、時間がなく、今回はパソコン検索を主に使った。CAB文書は目録(CAB-20とCAB-24は戦時内閣の結論と資料を日付順に並べた目録)とパソコン検索の併用がいいと思った。検索室の目録のコピーはLibraryにて自分で行なう。20p。マイクロ室の奥のLibraryに目録を持ち出すときには面倒でも了解を受付で取ること。]

  パソコンで請求番号を入力して、資料請求する。「Current Order Status」という液晶画面が、各部屋にあり、READER’S TICKETを通すと、申込資料の状況は一目瞭然である。5つの表示があり、①Document Ordered ②Printed ③Left Floor ④Reached Document Reading Room ⑤Seen by Readerである。④の表示が出たら受け取りに行くということである。インターネットで日本から検索「Public Record Office Online Catalogue」できるので、請求番号と資料名は日本で全部プリントアウトしてバインダーに綴じて持参する。PRO近辺の地図も複数カラーでプリントアウトして持参するとよい。道路名が記載されていて、B&Bを探すとき、助かる。

  座席番号であるが、ラップトップパソコン、デジカメを持っているかどうかで、部屋が違う。デジカメを使用している研究者はまだ少ない。その日のうちに、資料が読みきれなかった場合、Tomorrow」と言って、座席番号を告げれば、保管してくれる。開館時間・資料請求時間は最後に記した。ホームページで祝日休館日を確認されたい。

  鉛筆は売店価格25pである(30Pさらに40pに値上がり)。持参したほうがいい。ボールペンは不可。シャープペンを使っている人もいたが、ほとんどの閲覧者は鉛筆を使用していた。また資料はバインダーで綴じておいたほうがいいようだ。付箋をつけておいても注意されない。日本の国会図書館と同じく透明のビニール袋が置いてある。米国のNARAだとホッチキスされ、付箋は取られ、判子を押されるが、PROでは形式的にチェックするだけである。

 上の記述は、最初に訪問したときの記録ですが、どのように変わっていくのか、理解していただければと思います。

コピー

 当日コピーには「QUICK COPY SERVICE」と「WHILE YOU WAIT SERVICE」の2種類がある。前者は15枚以下、後者は5枚以下ということであるが、実際にはこの枚数は厳格に守られていない。僕の経験では1回の申込で32枚コピーしてくれた。コピーの申込は白用紙と赤用紙の申込用紙を重ねて、名前・座席番号・日付を記入し、資料番号を記載して、渡せばよい。先方が受付時間を記入し、サインし、赤用紙を渡される。前者は1時間後に受け取りにいく。後者は20分後とか、30分後に受け取りに来いとか言ってくれる。「WHILE YOU WAIT SERVICE」の字面通り、その場で待ちたいときは白赤の用紙は使わずに、スリップのような長い紙に資料請求番号を書いて渡せばよい。柔軟に対応してくれるので、白赤の用紙で申し込んでおき、その間に資料を読み、新たにコピーを申し込みに行くときに、お金を払い、コピーを受け取ればよいと思った。「QUICK COPY SERVICE」は残り時間が1時間を切ると翌日10時受取に回される。枚数が多いときは滞在中にコピーをしてほしい旨伝えて、HELP POINTで相談すること。(土曜日はアルバイトがコピーを行なっているので、平日と多少違うときもある。)

  資料のコピー箇所にSLIPを差しこみ、「右側だけ」とか「右からはじめて左で終る」とかのマーク欄に、マークすればよい。アメリカではTABを差込み、コピー個所をチェックしてもらい、自分でコピーするが、英国ではSLIPにコピー個所を明示し、委託コピーするシステムである。

  コピーの支払方法であるが、袋に入れて、枚数を記入して、取っておいてもらい、あとでまとめて払うこともできそうだ。聞いたら、留置きは一週間大丈夫と言う話で、カードで支払うことも可能であるとのこと。僕は現金で一回一回支払い、コピーが鮮明かどうか確認した。A3で1枚40pである。A2サイズも可。料金が高いのでデジカメを持っていっていくのもよい。日本からコピーを注文する方法もホームページには掲載されているが、見積もりはしてもらえるが、資料名が資料の内容と違う場合があるので、注意が必要だと思った。メモをして、帰国後に注文するのが安全。→2007年8月のメモをお読みください。セルフコピーができるようになっています。

 

 追記しておきます。コピーをする人はいなくなりました。デジタルカメラで撮影しています。上の文章を読むと、昔が懐かしくなります。

マイクロフィルム

  2階のマイクロ室に行く。青色のMARKER BOXを取り出した後に置く。MARKER BOXの番号の座席に座り、マイクロフィルムをみる。例えば「FO 954/6B」という資料だと、「Row3 Drawer10」の中にあるにリールを取り出し、MARKER BOXを置く。パソコン検索で資料の番号にA(前の部分)とかB(後方)とかがついているとマイクロフィルムという意味ではないだろうか。(未確認)コピーするなら、ページ数が右上にあるので、メモしておくこと。

マイクロからのコピー

  マイクロのコピーは現金だと1枚25pであるが、カレンシー・カードを作成すると20pであるが、80pのカード作成料金が最初に使うときにチャージされる。カードは5ポンド(1ポンド硬貨5個しかダメ)で作製でき、金額が0になったらお金を追加して、一旦出して、もう一度入れて使用できる。(アメリカのNARAナショナル・アーカイブスのデビット・カードだと途中でお金を追加できるが、PROのカレンシー・カードでは0にならないと増額できない。僕は、コピー機で追加作業を行なうため「コイン投入後一旦出して、もう一度入れなおす」というのがわからなかった。追加するときは、1ポンド硬貨だけでなく、20pとか5pとかいろいろな硬貨が使える。) A3とA4両方とれるが、僕はA3で複写した。コピー機によって写りの悪いのがある。またこのカードはLibrary(マイクロ室の奥)という部屋にあるセルフサービスのコピー機でも使え、20pでコピーできる。ただし、セルフコピーは、目録類とCAB資料(複写版)の一部だけで、オリジナル資料は委託コピーしかできない。(2007年8月はセルフコピーが導入されていた。)

 

 現在、マイクロフィルムの資料は電子化されている可能性が高いので、その点は確認されたい。

 

 上の記録は古くなって、全く参考になりません。デジカメで撮影してください。もしくはダウンロードしてください。