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アーカイブ情報あれこれ: 韓国国立中央図書館

韓国国立中央図書館 National Library of Korea

 地下鉄2号線の瑞草(ソチョン)駅6番ゲートから徒歩15分(もう一つの行き方は地下鉄3、7、9号線の高速バスターミナル駅5番出口から徒歩15分)。大法院(日本で言う最高裁判所)、ソチョン警察署を抜けると左側に国立中央図書館(National Library of Korea  別称 National Central Library of Korea)が聳え立つ。一番大きな建物の1階にUser Resignationがある。高速バスターミナル駅から行く場合、5番出口を出て、ソレ公園方面に坂道を上がり(ソレ公園とソウル聖母病院の盤浦大路をすすむ)、最初に右側に現れるのが、デジタルライブラリーである。この中のエスカレータやエレベータで上がってもよいし、もう少し先に進んで本館が右手に目に入ってくる階段から行ってもよい。盤浦大路に面している。

三路線(3、7、9号線)の駅の「高速バスターミナル駅、5番出口」と韓国国立中央図書館(左上) プルダウンで「KTXと高速バスの移動」をクリックしてください。高速バスターミナル駅の大きい地図があります。

  初回訪問時にOne Day Pass(入館証、正確には、One Day Membership Card)を作成しなければならない。紙「Guidance on the Collection and Use of Personal Information」で「名前、住所、生年月日、メールアドレス、日付、名前 サイン」を書いて、スタッフに渡せば、スタッフがPCに入力してくれる。メールアドレスは自分でキーボードから入力(誤入力を避けるためだろう)。IDとPWが指定される。小生の場合、munehiro(おそらくFirst Nameが使われるのだろう。Family Nameは例えばKimなど同じ氏となるからだろう)とa1234〇〇(忘れないようわかりやすい番号)であった。User Resignationでスタッフの手助けで(紙に書く)、入館証が簡単に作成できるので、ありがたい。6月訪問時には二日連続して訪問したが、前日入力したデータが記憶されており、機械の入館証作成機でmunehiro(MUNEHIRO、大文字でも小文字でも大丈夫)を入力すると、One Day Membership Cardが作成される。おそらく半年とか1年間はデータがそのまま残り、マシーンで作成されるだろう。それを考えれば、PWはよく考えて指定しなければならない。

 荷物はIDとPWでロッカーに入れることができる。荷物入れる際に、列を忘れないようにしなければいけない。小生箱番号が大事だと思い込んでいたが、同じ箱番号が6つ(6列)ほどあり、列の「画面」に「入館証」をタッチすれば(小生、タッチするというのが初めてだったので、どのように開錠するのかわからず、スタッフに尋ねてようやくロッカーをあけることができた。)、箱の番号がわかるというシステムである。箱番号よりも列の番号を忘れずにメモしておくこと。箱番号は覚える必要がなく、画面にタッチして開錠。画面近くのロッカーにするのが初めて訪問する場合にはおすすめ。(退館時にカードを返却せずに、いったんロッカーを開けるために、外出するためにカードを読み込ませて、外に出て、ロッカー室に行き、画面にタッチして、さらに「END」を選択する。荷物を取り出す。ロッカーを締める。またゲートから入り、すぐにカードをゲートに入れて返却して、退館すればよい。日本の国会図書館では館内の6階とか2階、新館の1階に食事を取るが、韓国の国立中央図書館では外にある。昼食をとるために出る方が多いので、このシステムが導入されたのであろう。なお韓国国会図書館では、ロッカー使用時に4文字の数字のPin番号を指定しなければいけない。忘れないように日ごろ使う電話番号の下4桁などがいいと思う。)

向って左側のゲートで一旦退出手続きを忘れないように。そうしないとカードが吸い込まれる。喫茶店と食堂は左側。日本の国会図書館のシステム(入退館、書籍の出納、コピーなど)が一部導入されている。正直ありがたい。

 出発前に日本で検索画面にアクセスして、閲覧したい書籍や資料の請求番号を控えるとか、プリントアウトしていくのがいい。日本で検索すれば、翻訳機能も駆使しできる。館内でうまく請求できないときには、スタッフに請求番号を示して、教えてもらえばいい。韓国の図書館員はとても親切である。韓国のスタッフは親切で、とても助かる。日本はマニュアルが優れているが、韓国はスタッフが丁寧に対応してくれる(高速バスやKTXの切符売り場も親切なのと同じ)。韓国の図書館では、遠慮なく尋ねることである。Google翻訳などのAI翻訳は本当にありがたい。音声でも、文字表記でも意思疎通ができる。韓国語と日本語は文の構造と漢字文化圏であるため、翻訳精度が高い。(韓国訪問前にYou Tubeでやり方を確認するといい。)

 入館後の検索であるが、ハングルと英語しかないので、自分のノートパソコンを持ち込み、IDとPWで国立中央図書館の検索画面にアクセスして、日本語で閲覧して、コピペを駆使して、資料請求をした。書架にはそれほど並んでいないので(新刊も並んでいる)、韓国国会図書館本館とは異なり、請求の仕方を工夫する必要がある。請求の仕方がわからなければ、Reference Serviceにノートパソコンを持ち込めば、英語を話せるスタッフが丁寧に教えてくれる。ハングルのページを示し、これを請求したいと言えば効率的である。

Reference Serviceで尋ねること。英語が通じ、丁寧に対応してくれる。初心者だとわかると、探すだけでなく、請求までしてくれる。この右側が出納。30分ほどで出庫される。このシステムも日本の国会図書館のシステムが導入されていると思う。

 日本の国会図書館と同じようなシステムが導入されているので、理解しやすく、助かる。小生表紙や奥付をデジタルカメラで撮影した。枚数は少ないが、注意されなかったので、おそらくOKなのだろう。令和6年6月の訪問時に新聞をデジタルカメラで撮影してもいいかどうか尋ねたが、OKであった。

 図書は4階で雑誌は3階であるが、どちらでも閲覧できる。請求の際に3階で閲覧するのか、4階にするのか指定しなければならない。日本の国会図書館であれば、新館(雑誌)と旧舘(書籍)と別れているが、韓国国立中央図書館では3階と4階で分かれている。本は3階と4階の間で持ち出しできないのではないだろうか。英国のBritish Libraryでは、上の階と下の階を移動できるが、いったん外に出なければならないので、おそらくブザーが鳴るだろう(持ち出せないだろう)。学位論文は3階にあるようだ。資料や書籍を請求した場合、30分後に出納に受け取りに行けばいい。

 食事は入館ゲートを出て右折して、館外に出て、道を渡れば、正面の建物の1階にある。左側が食堂で、右側がCV(コンビニ)である。食堂の料金であるが、閲覧者は5000ウォンで、食券販売機で現金(カード可)を入れて買う(職員は少し安い)。メニューは昼のランチ1種類である。キムチとスープ、ご飯、そして日替わりメニューである。喫茶店はゲートを出て右にある。(小生、キムチを食べると、胃の調子がよくなるのではないかと思う。)食券販売機は4台ほどある。5000ウォンを押すと、カードで払うか、現金で払うかのどちらかの画面に移動する。上がカード決済で、下が現金である。カードは差し込めば決済される。非常に簡単に決済されるが、カードを落とした時には悪用されるということである。CCTVがそのためにも監視として機能しているのだろう。

右側上方向(高速バスターミナル駅)、下方向(端草駅)。図書館本館と食堂・コンビニ(赤色のビル)。新築されたデジタルライブラリーは地図にない。

別棟(上の写真の赤で表示されたビル1F)の食堂(レストラン)、定食5000ウォン。セルフでお盆を持ち、総菜やキムチを皿に盛る。

 コンビニCVの右奥にもテーブルがあり、カップラーメンを食べられるようになっている。飲み物、パンやおにぎり、カップラーメン、ラーメンなどが販売されている。日用品や文具も置いてある。韓国国会図書館はSack Barで食べものしか販売していない。文具はない。

 

 

新聞の閲覧

韓国で刊行された新聞が充実している。

 1992年1月に宮沢喜一首相が訪問した時の新聞記事であるが、例えば釜山日報、慶北日報、忠清日報などが紙で閲覧できる。釜山新聞が尖鋭で記事がはやいことがわかる。慰安婦や学籍簿の記事が同時期であることが、記事からわかる。釜山日報では学籍簿に関する池田正枝の証言が大きく扱われている。「学籍簿」は現在非公開であるので、新聞記事の中の写真から情報が拾える。

 釜山日報の紙面 宮沢首相の写真。その上に挺身隊を日本に引率した李相玉の名前がある。

慶北日報?の学籍簿の記事 「父母ヲトキフセ」とある。日本政府は、日韓両国関係(恣意的な悪用が出来なくするためにも)のためにも、韓国政府に学籍簿の提供を求めるべきである。個人情報には配慮が必要なことは言うまでもないが、出鱈目な言説のために日韓関係が棄損したことは考えなければならない。

 また戦前の『毎日新報』の景仁文化社復刻版などは現物で請求できる。デジタルカメラで撮影しても大丈夫である。毎日新報はCiNiiで調べると日本の14機関で所蔵されている。九州大学に所蔵されている。学籍簿はソウル市教育庁や国家記録院に所蔵されているが、非公開である。遺族でないと閲覧不可とのこと。当時の新聞には学籍簿の写真があり、参考になる。

 朝鮮で戦前、戦時中、敗戦後に刊行されたハングル版、日本語版の新聞は下記のホームページからアクセスできる。漢字があるので、またキーワード見出し検索できる。下記で検索されたい。記事を表裏でダウンロードできるが、現物を見ることができない。資料が痛んでいるのだと思う。

 https://nl.go.kr/newspaper/

 ノートPCを持ち込み、自分のパソコンにダウンロードするのがいいが、日本国内からアクセスしてダウンロードできるので、わざわざソウルまで行く必要はない。1992年の新聞記事などは現物を手に取って漢字で概要をつかめ、ソウルまで飛ぶメリットはあると思う。図書館職員が親切なので、韓国の良さを肌で感じることができる。

付記

 三輪の目に留まった新聞

 京城日報(日本語版)1943年1月から12月 1944年1月から12月

 釜山日報(日本語版)1944年1月から12月

 民衆日報 1945年 1946年

 独立新聞 1946年5月27日の記事

 

 学籍簿について言及した私の論文「裁判で歴史的事実を認定できるのか 詐欺的誘惑や過酷な労働実態は事実ですか」(『歴史からみた経済と社会』、思文閣、2023年)はダウンロードできます。キーワードで検索して、ぜひ一読ください。下記のアドレスの九州大学のリポジトリに登録されています。こちらからも簡単にアクセスできます。

https://hdl.handle.net/2324/7239404