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アーカイブ情報あれこれ: 米国国立公文書館 II のStill Picture Research Room

米国国立公文書館Ⅱ所蔵の写真

エレベータで5階まであがる。Still Picture Research Roomに入る。
2階の資料請求、資料受領とまったく同じ。サインをして、日付、時刻、イニシャルを書いて資料を受け取る。
RG111-SC: Records of the Office of the Chief Signal Officer Photographs: Signal Corps Photographs of America Activities, 1900-1981
請求記号は簡略に111SCと書けばよい。Box600を閲覧請求する場合には、111SC#600と書けばよい。
1 boxに複数のフォルダーがあり、1つのフォルダーに10枚のシートが入っている。1シートに4枚の写真がある。これを1枚ずつ取り出して、スキャナーな どで複製してよい。4枚すべて電子コピーした場合には25セント。裏に青字の書き込みがあるので、裏面もコピーしておく必要がある。地域も内容もバラバ ラ。撮影したのはU.S. Army Signal Corps
111SCAというアルバムになった写真集は複写ができないが、下記の6冊の目録でおおよその見当がつく。目録はUS Armyの棚(奥)に配架されている。
Records of the office of the Chief Signal office List of Signal Corps Albums 111-SCA, Volume 1~6
SCAはアルバムでこれからはコピーすることもできないが、SCはコピーすることができる。SCAで検索して、資料請求し、写真(サイズはバラバラ)の裏 に記入されたSC番号を特定する。次に111-SCのBox List(111SCのチェックリストは簡単なものがあるだけ。Box: 1~901まで。目録はデスクの左側のReference Collectionに複数ある。)でBoxを特定する。例えばBox600であれば、111SC#600とSlipに書いて請求すればいい。小型の写真 (1シートで4枚組)にたどりつく。これから25セントの電子コピーで複製したり、8ドルかかるが鮮明にPhotographicすることもできる。ス キャナーを持込んで、自分で複製すれば無料であるし、画質も確保できる。
Volume 3(第3巻)に113-SCAの日本関係、朝鮮関係がある。アルバム番号を記しておくと、2062-2307までが日本。2309-2663までが朝鮮で、釜山は2388-2409。2115博多、2072福岡、2100-2100A九州
請求であるが、25箱まで請求可能で、Slipを何枚にも分けて提出すればよい。25箱まで持ってきてくれる。さらに25箱請求可能。Slipを纏められ るようにシステムの変更が行われている。請求後、青色のスリップは持ち帰ることができる。2階のRoom2000では不可。 
111SCA-2100を眺めていたら、日炭高松の写真は「SC298572」であり、九州大学は「SC298024」にある。ボルネオ(111-SCA  942-943)は第二次世界大戦末期が多く、釜山(111-SCA 2388-2409)は朝鮮戦争(韓国動乱)の時のものが多い。 111-SC287に原爆患者の写真があるが、あまりにも悲惨なのでそのまま閉じた。
米国国立公文書館Ⅱの所蔵する写真が写真集になり、売り出されているが、「請求番号」が書かれていない。後続の研究者や利用者がどれほど時間を空費するのだろうか。研究者として「恥を知れ」と言いたい。昭和の語べではなく、「笑話」の語べである。

 写真の迫力を伝えているのは、下記の本である。請求記号が書かれていないのが、残念である。

原勝洋『写真が語る「特攻」伝説』(KKベストセラーズ、2006年)

 閲覧室のカウンターの左側の棚「Refrence Prints for Publications and Select Lists 」に備えられている「WAR & CONFLICT  & 636-760」(上の二段)のバインダーから写真を選び、その周辺の写真を請求する方法もある。RG208-ppの25箱を全部請求すればよい。Box12には以下のようなものが入っている。請求記号は下記でよかった。おそらく208-PP Box12でもよいのではなかろうか。なお、この棚のバインダーには「Pearl Harbor Photo Binder」(下段)もあり、南北戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争のバインダーが置かれている。ここを手掛かりに資料を請求されては如何であろうか。

208-PP-127 Roosevelt, Churchill, Stalin

208-PP-128  上に同じ。

208-PP-129 ローズベルトの演説(真珠湾攻撃直後)

208-PP-134  Hull国務長官などの閣僚の写真

 市販されているWar & Conflict(Jonathan Heller Edited 棚に2冊配架されている)という写真集にも米国国立公文書館所蔵の写真が掲載されており、最後のページに請求番号が書いてある。これをたよりに請求記号並びにBox番号を特定できる。はじめていかれた方はこの写真集と巻末の請求番号から写真を請求するのが、簡明でわかりやすい。War & Conflictが基本で、この本の写真を集めたバインダーも書架にある。

「80-G」は米海軍が1943年から1958年に撮影した写真。Box番号と写真番号を照合するのが、赤色の「80-G BOX LIST 1900-1958」である。これはカウンターの左の棚の上に置かれていて、すぐにわかる。棚の中に収納されているチェックリストもある。War & Conflictを眺めながら、大まかな検討をつけて、写真を請求すればよい。1回の請求で21箱まで請求できる。

 閲覧室にPictures of World War Ⅱという小さなガイドがあるので、それを参照すると、大きなクループ分けがわかる。「RG208-AA」の中には、米軍が撮影していない、画質の悪いものが紛れており、この点は留意されたい。日本軍から押収した写真は画像は比較的鮮明である。プロパガンダ写真も入っているので、これも徹底的に調べなければならない。

 写真もきちんと整理して公開していくという姿勢には学ばなければならないものがある。皆さんも「笑話」の語べにならないように、引用はしっかりお願いします。空襲の写真集を見て、悲しくなるのは小生だけだろうか。なぜ写真の請求番号を明記しないのかと。

 

以下重複しますが、追記します。2016年9月24日

カウンタに向かって壁際の左側の書架にGuide to the Holdings of the Still Picture Branch of the National Archivesがある。これはRGごとにどのような写真があるか記述されているので、参考になる。戦時中、情宣活動を行っていた  Record of the office of War Information は詳細な目録があり、 ここの記述を頼りにある程度特定ができ、Box単位で請求ができる。捕虜関係、ビルマ関係、太平洋の各戦地ごとの写真がある程度特定できる。国の名前、例えばJapan Germany という国別でも分類されている。208-AAの目録がある。「RG208-AA」はOffice of War Information Prints: Allies and Axis 1942-1945の写真コレクションである。プロパガンダの写真も入っているので注意が必要であるが、どのようにプロパガンダしようとしたのかという点だけしっかり押さえて使えば有益な情報が得られる。「RG208-AA」にはバインダーになった目録がカウンター向かって左の書架にある。地域ごとやPOWなどの項目で特定できるので、ぜひ目録を見ながら、写真を請求されたい。一つだけサンプルを挙げておく。

野村 来栖大使 208-MO-104DD-1

 朝鮮戦争の写真はバインダーになっており、「Korean War 1」 「Korean War 2」を眺めるとよい。すでに上で紹介しているが真珠湾攻撃関係写真もバインダーになっている。

 写真をどのように整理して、請求番号を付け公開するのか、またどのように公開するのか、これは研究課題である。米陸海軍の写真はばらばらに入っているので、一つのバインダーにして代表的な写真を纏めているのだろう。この選ばれた写真をヒントにBoxを請求するということになる。

第二次世界大戦関係は以下の通りである。

米海軍 80-G 1941-1945 

米陸軍111-SC 1941-1954

「RG208-AA」はOffice of War Information Prints: Allies and Axis 1942-1945の写真コレクション

 

日系人捕虜収容所のTule Lake収容所の写真は、以下の通り

210-CL Boxes 1-3          210-G Box 12

 

 

 

 

 

 

Microfilm Research Room 5F

2024年9月訪問時に、1日だけMicrofilm Research Room マイクロフィルムを眺めました。

エリックに情報提供をお願いしておいたので、マイクフィルム番号(RGも)とリール番号がわかっていたので、マイクロフィルムの入った棚から自分で取り出し、それをマイクロフィルムリーダーにセットして、読むというやり方。PDFを作成するというやり方もあるが、小生画面をそのままデジタルカメラで撮影した。マイクロフィルムリーダーの操作方法はスタッフに教えてもらうのが、手っ取り早い。慣れるまでが大変である。どんどんスタッフに尋ねること。アメリカでは遠慮することはない。

 日本語が読めない人がマイクロフィルム撮影しているので、裏紙まで撮影している場合や、裏表反対の場合がある。裏紙の中にも面白いのがあるので、眼光紙背に徹するという気持ちを忘れずに!

 今回はRG331のマイクロフィルムを閲覧したが、国会図書館にもあるかもしれないと思った。

閲覧者は少なかった。持ち込んだ紙は、2階と同じようにGreen Bagに入れて退出手続きを取ること。マイクロフィルムに関しては、電子化が進むだろう。今後、すべて電子化されるのではないだろうか。

 

 

Subject Guide

Profile Photo
三輪 宗弘
連絡先:
附属図書館記録資料館
産業経済資料部門
教授

専門
経営史, 軍事史, 石油・石炭産業, 太平洋戦争, 公文書の廃棄選別
Website

購入できる目録

『Guide to the Holdings of the Still Picture Branch of the National Archives』

Barbara Lewis Burger (著)
上の目録が書架にあります。RGごとにどのような写真が所蔵されているのか記述されています。
またアマゾンで購入できます。
 日本の図書館や文書館で写真をどのように整理して、公開するのかは課題である。米国の写真の請求記号番号の付け方は参考になるが、海軍とか陸軍という単位でもなかなか分類の仕方が難しいと思った。様々なケースを想定して、多様な写真のコレクションをどのように整理するのか、今後の研究課題であろう。若手研究者にアーカイブと検索の融合的な研究を期待したい。

Gordon Parksの写真

 2024年9月15日夜中にたまたまTVをつけたところ、黒人写真家Gordon Parksのドキュメンタリーが放映されていました。黒人の日々の日常生活をレンズに収めていると思いました。また1944年にスタンダードオイルの専属カメラマンになったとのことで、この点も私には興味が惹かれました。米国議会図書館やNatinal Gallaryに所蔵され、展示されているようです。YouTubeでぜひ関連する動画をご覧ください。

 National Galleryでは小さな部屋に展示されています。

 いい写真家の写真を眺めることで、H某や日帝強制動員歴史館のような出鱈目なキャプションをつけてプロパンがする輩を見抜く眼力がつきます。